漆@輪島、七尾

2013.09.06

光沢の無いファサード -塗師の家-

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さまざまな(漆の)光沢が在った内部空間とは裏腹に
外部は、塗料が塗られてない木部。
同じく洗練されていると感じるが
びっくりするほど印象が異なる。

また、敷地内建物の多くは、2階・3階建てとなっているが
表通り側から2部屋分くらいは1階建てとし
つつましやかに見えるよう工夫してあるとか。

輪島大祭の日には、この「塗師屋造り」の家屋の前を
幾つものキリコが通りすぎていくとのことです。




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同じく輪島市にある伝統的建造物群保存地区の
門前町黒島地区の街なみ
ファサードの表情は似ているようにも思うが
やはり線の細さはこの建物独特のように感じた。
艶のない繊細な反復が美しい〜。
(個人的にはとても好み。)




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こちらは「きたまえぐち」。
正面通りと反対側の敷地入口。
門の右横は塗師蔵
外壁は、端正な下見張り。
軒裏が木板で覆われいるのが、面白い。
延焼防止のためだろうか。
2013.9.6,輪島・塗師の家

2013.09.05

塗師蔵 -塗師の家-

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塗師蔵(ぬしぐら)とは、塗師が漆の作業する空間。
湿度や気温の変化が少ない蔵を
作業空間にしていたとのこと。


上の写真の物入れは
漆塗りを施した後、その漆を固化させるための棚。
塗師風呂(ぬしぶろ)という。


そして塗師風呂の前には、漆の上塗りをする作業道具が。
(現在は別の場所で作業しているとのことで、これは展示。)



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こちらは、中塗りのものを固化させる塗師風呂。
棚がぐるぐると回転するような装置になっていた。(回転風呂


漆は、漆の主成分であるウルシオールの
酸化酵素ラッカーゼが空気中の水分を
取り込むことで酸化し、表面が固化する。
つまり固化するには、
私たちがよく知っている通常の塗料と逆に
空気中の水分(湿気)が必要。


この装置で、その湿度を
どのように与えるのか、、、と尋ねたところ
「塗師風呂の内側の木部をたっぶりと湿らせます。」と返答が。
なるほど、シンプル〜。
火を焚いて水蒸気をつくって
送り込んだりするのかと思っていた、、、。




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塗師蔵は、外からみた感じでは、
普通の蔵と何ら変わらないように見えたが
この蔵の扉を停めておく柵のような装置は
(能登の?)塗師蔵共通のデザインコードのよう。
京都の蔵では、あまり見たことないように思う、、。

その塗装はもちろん漆!

2013.9.5,輪島・塗師の家

2013.09.02

透けと映り込み3 -塗師の家-

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「なかのま」「ろのま」から坪庭を眺める。
坪庭に面した障子には、「」が張ってあり
風景は、僅かにヴェールがかかったようで
現実が少しゆらぐ感じ。




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光・風・眺めの通し方が
それぞれ異なる建具が並んでいた。
日本の建具って
ホントいろいろな表現の仕方が出来るのだな。



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「ちゃのま」の葦戸は、
横引き(関東猫間というらしい)の障子になっていた。
しかしこの場合は、雪見障子ではなく雪見葦戸というのか、、、?
縁側のガラス建具のシルエットが重なって見えている。

2013.9.2,輪島・塗師の家

透けと映り込み2 -塗師の家-

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華文様が蒔絵された輪島塗の猪の目(いのめ)
仏間の襖に細工されていた。

通りに面した開口部の葦戸がくっきりと映り込む。




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街路からの光が、
格子や葦戸に通して見せる涼しげな風景。



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上の猪の目の襖を隔てた奥の室「ざしき」。
こちらには、障子が映り込んでいる。
この建具に見られるような、線の細いデザインが
漆塗りの光沢・奥行き感を、品良く見せているように思う。



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「ちゃのま」には、
漆塗りの揉み和紙を張った建具があった。

使い込んだ皮革のような感じもあるが
面に奥行き感があるのは、
やはり漆ならではの表情のように思える。


2013.8.30,輪島・塗師の家



2013.08.23

透けと映り込み1 -塗師の家-

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かどぐち(玄関)から入ったところの通り土間から。
艶の在る線と面の配分がよく
尖りすぎないシャープさが心地よく感じた。

施されている漆には
僅かに朱が配合されているとのこと。
ここは、訪問客が目にする場所なので
朱が入れられているが
別棟のプライベート空間では
漆に黒が配合された塗りとなっていた。



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かどぐち方向を見返したところ。



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通りに面した室から
ひとつ奥に設けられた「なかのま」
漆塗りの神棚が設けられている。
「なかのま」の奥は「ざしき」



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葦戸(よしど)の腰板には
蛍の図柄が控えめ在りました。

2013.8.23,輪島・塗師の家


2013.08.21

漆に出会う

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先週末に能登半島へ出掛けてきました。

長谷川等伯の作風のルーツを見てみたい、
というのが、旅計画の始まり。
しかし等伯生まれ故郷の七尾まで行くなら、
輪島まで足を伸ばそうということになり
輪島で漆器を幾つか見てみることに。


その流れで訪ねた、
漆喰や土壁以外は殆ど漆塗りが施されているという
塗師の家」では、漆という素材を
さまざまな形で感じたことが、印象に残る体験となった。


ここで建材に施されている漆は、
常日頃、お椀などで目にする、こってりとした漆ではなく
下地が透けて見えるようなもの。
(多くが拭き漆仕上と思われる。)


漆塗りがつくり出す、光の反射・映り込み・奥行き(透明感)、
それぞれが、他の素材に替えられない作用があって
「塗師の家」の空間は、とても新鮮でした。

2013.8.21,輪島・塗師の家


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